浮腫とは
定義
浮腫とは,細胞外液のうち組織間液が異常に増加し,体表面から腫脹して見える状態を指している.
特に体腔内における水分の貯留として,胸水や腹水があるが,一般的には皮下浮腫のことを意味する.また,胸腔・腹腔を含めて,全身の組織間隙に及んだ著しい浮腫を全身性浮腫(anasarca)と呼んでいる.
患者の訴え方
患者は,「顔が腫れぼったい」「靴・指輪がきつくなってきた」「むこうずねを押すとへこんだままになる」「関節が曲げづらい」などと訴える.また,「急激に体重が増えた」といった訴えの場合は,全身性浮腫の可能性が考えられる.
これらの訴えには,さまざまな表現があるので,浮腫を疑い情報を収集する必要がある.
患者が浮腫を訴える頻度
浮腫を主訴として来院する患者は,詳細な統計はないが,比較的多く,3〜5%と思われる.また,外来受診者のなかには浮腫を伴っている患者が相当数存在している.