運動麻痺とは
定義
運動麻痺とは,運動中枢から末梢神経,筋線維までのどこかに障害があって,随意的に運動ができない状態である.筋脱力については後項→に譲り,本項では神経原性の運動麻痺を中心に述べていく.
患者の訴え方
患者が「手足がしびれている」と訴える場合には,感覚障害だけでなく運動麻痺の場合があるので,正確に医療面接を行う.
運動麻痺がある場合,患者が「箸を持ちにくい」「スリッパがよく脱げる」と訴える場合は遠位筋の脱力を,「ふとんの上げ下ろしが難しい」「しゃがみ立ちが困難」と訴える場合は近位筋の脱力を考える.
患者が運動麻痺を訴える頻度
一般外来と専門外来(脳神経内科や整形外科)では運動麻痺を訴える患者のみられる頻度は著しく異なる.一般外来では1%以下の頻度であろう.
症候から原因疾患へ
病態の考え方
運動の命令は,大脳皮質運動野,内包,脳幹,脊髄,末梢神経,神経筋接合部,筋肉へと神経刺激が伝達さ
関連リンク
- 内科診断学 第4版/筋脱力
- 内科診断学 第4版/左手足の脱力発作
- 今日の治療指針2025年版/球脊髄性筋萎縮症(Kennedy病,Kennedy-Alter-Sung病)
- 今日の治療指針2025年版/多発ニューロパチー
- 内科診断学 第4版/歩行障害
- 内科診断学 第4版/構音障害,四肢筋萎縮
- 新臨床内科学 第10版/4 大脳皮質基底核変性症
- 新臨床内科学 第10版/1 筋萎縮性側索硬化症
- 今日の整形外科治療指針 第8版/筋萎縮性側索硬化症
- 今日の整形外科治療指針 第8版/頚椎屈曲性脊髄症
- 今日の整形外科治療指針 第8版/頚椎症性筋萎縮症
- 今日の診断指針 第9版/小児のGuillain-Barré症候群