本書は2005年に上梓した『イラスト&チャートでみる急性中毒診療ハンドブック』の改訂版ですが,医学書院の御厚意で人気シリーズの『レジデントマニュアル』に加えていただくという幸運に恵まれました.前作のA5判からコンパクトなB6変型判に変えて,救急医療現場ですばやく白衣のポケットから取り出して必要最低限の情報が得られるようにしました.また,本書は2009年に上梓した『臨床中毒学』のポケット版という位置づけでもあります.詳細な知識が必要であれば,多忙な仕事の合間に『臨床中毒学』を一読していただければ幸いです.
改訂にあたり,新たに試みたことがいくつかあります.まず,「初期治療のポイント」を容易に記憶するために,前作の語呂合わせを洗練しました.例えば,「血液灌流法および血液透析法の適応のある薬毒物」を記憶するための語呂合わせを「青魚入りのCAT-MEAL(猫の食事)で血がサラサラ(浄化)」として