最初の10分メモ
含有する生物
・ドクツルタケは,日本では夏から秋にかけて普通にみられ,広葉樹林および針葉樹林の林内の地上に点々と発生する(図1図).傘は白色かつ平滑で粘性があり,5~15cmの径がある.ヒダはやや密で柄に離生している.柄は白色で,15~25cmの長さがあるが,上部に膜質のツバがあり,それより下は繊維状のササクレに覆われていて,根元はふくらんで大きな袋状のツボがある.
・シロタマゴテングタケは,日本では夏から秋にかけて普通にみられ,広葉樹林および針葉樹林の林内の地上に生える.傘は白色かつ平滑で,5~10cmの径がある.ヒダはやや密で柄に離生している.柄は白色で,7~10cmの長さがあるが,上部に膜質のツバがあり,根元はふくらんで袋状のツボがある.
・タマゴテングタケは,ヨーロッパでは夏から秋にかけてよくみられ,日本では北海道で発見されることがあるが,本州以南で見つかることは稀である.傘は淡緑黄色で中央に向かって暗くなるが,乾燥して光沢があり,5~15cmの径がある.ヒダはやや密で柄に離生している.柄は白色で,8~15cmの長さがあるが,上部に膜質のツバがあり,根元はふくらんで袋状のツボがある.
診断のポイント
・キノコを経口摂取して6時間以上の潜伏期を経てから消化器症状を認める.
・キノコを経口摂取して24時間以上経過してから,肝障害,腎障害などの臓器障害を認める.
・摂取後48時間までの尿で,α-アマニチンなどのアマトキシンが検出される.アマトキシンは速やかに血清から消失するので,分析には血清より尿を用いるのが望ましい.
・患者の食べ残したキノコ,または,患者が摂取したものと同じキノコによるMeixner試験が陽性である.
【Meixner試験】
・この定性試験によって0.2mg/mL以上の濃度のアマトキシンを検出できる.キノコから得られた液体を,新聞紙のすみのプリントのされて