診療支援
治療

50トリカブト-アコニチン類含有植物
上條 吉人
(北里大学特任教授・中毒・心身総合救急医学)

最初の10分メモ

含有する生物

・トリカブトは,キンポウゲ科・トリカブト属の多年草である.草丈は30~150cmで,夏から秋にかけて青や紫の美しい花を咲かせる.日本では約30種類が自生しているが,北海道を中心に自生するエゾトリカブト,東北地方を中心に自生するオクトリカブト,本州を中心に自生するヤマトリカブトなどがある.ちなみに,図1に示すのが,ヤマトリカブトである.トリカブトが含有している毒素であるアコニチン類の種類やそれぞれの濃度は,植物の部位,自生地,季節,生育状況,種類によってさまざまである.植物の部位では,最も濃度が高いのは根で,茎の約10倍,葉の約300倍である.

・図2に示すように,トリカブトの根塊は三角錐の形状で,秋には親根の脇に子根がつく.漢方では,親根は「烏頭(うず)」,子根は「附子(ぶし,ぶす)」と呼ばれている.「烏頭」の語源は親根の形がカラスの頭に似ていることに由来し,

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