診療支援
治療

5 アガサ・クリスティ 『杉の柩』
上條 吉人
(北里大学特任教授・中毒・心身総合救急医学)

 ウエルマン家の門番の娘であるメアリイ・ジェラードは,塩酸モルヒネの錠剤を密かに盛られ,大きないびきのような,苦しそうな息づかいをして昏睡におちいった後に死亡する.

 この小説のなかでは,モルヒネによる死因について「モルヒネによる死はいろいろな症状をあらわすものであるが,も

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