〔治療の基本方針〕
血行動態が不安定であれば,直ちに電気的除細動を行う.基礎心疾患があり,除細動後にVT再発を繰り返す場合には,アンカロン→,シンビット→,もしくはプロカインアミド→を使用する.安定していれば薬物による除細動を行う.その後再発予防目的で抗不整脈薬を使用するが,VTの誘因を除去するとともに,血清K濃度を4mEq/L以上に保つ.心不全を基礎心疾患とするVTの治療として,β遮断薬やRA系阻害薬の併用が推奨されるが,発作と同時に血行動態が不安定になることも少なくなく,突然死のリスクも高く,植込み型除細動器(ICD)やアブレーションの適応の検討が必要である.特発性VTの生命予後は一般的に良好であるが,症状や頻度によってはカテーテルアブレーションの適応を検討する.
〔臨床分類〕
A.持続時間
1)持続性VT(sustained VT:30秒以上持続するか,それ以内でも停止処置を必要とするもの