〔治療の基本方針〕
1)消化管出血における薬物治療の役割はさほど大きくない
2)循環血液量の補正・維持や貧血の補正が保存的治療の基本
3)出血自体に対しては外科的治療や内視鏡的治療が主体となる
4)以前から使用されてきた,いわゆる止血薬の効果には異論がある
5)抗血栓薬投与中の消化管出血例は多く,その中止の是非を検討する.
〔臨床分類〕
A.出血部位による分類
1)上部消化管出血(Treitz靱帯より口側からの出血)
2)下部消化管出血(Treitz靱帯より肛側からの出血)
B.経過による分類
1)急性消化管出血
2)慢性消化管出血
〔重症度〕
A.軽症:バイタルサインの変動や貧血をきたさないような出血.
B.中等症:軽症と重症の中間.
C.重症:血圧低下,頻脈,ショック,著明な貧血などの臨床像を呈する出血.
〔治療の目標〕
1)循環血液量の補正または維持
2)貧血の補正
3)止血および出血病変の治療
〔効果判定の指標〕
1)バイタ