〔治療の基本方針〕
1)急性腹膜炎の多くは,基本的に外科治療を必要とする疾患である
2)適切な抗菌薬治療は併用療法としての意義がある
3)非代償性肝硬変症に合併する自然発症細菌性腹膜炎(spontaneous bacterial peritonitis:SBP)では,抗菌薬投与が重要な意味をもつ.
〔臨床分類〕
A.二次性細菌性腹膜炎:消化管穿孔などに合併し,腸内細菌叢の多種の好気性・嫌気性細菌による混合感染により生じる.
B.自然発症細菌性腹膜炎(SBP):重症肝硬変症に合併し,大腸菌などのグラム陰性桿菌により生じることが多い.
〔治療の目標〕
1)二次性細菌性腹膜炎では感染波及を阻止し,全身合併症を予防することにより,外科手術に向けて全身状態を安定化させることを目標とする
2)SBPでは感染を終結させ,肝機能不全を改善することを目標とする.
〔効果判定の指標〕
1)自覚症状と身体所見
2)白血球やCRPなどの