〔治療の基本方針〕
三叉神経は3枝に分かれて顔面の感覚を支配する.三叉神経痛では顔面に1秒~2分程度の電撃痛が生じる.顔面皮膚への接触により誘発されるが,自然に生じることもある.脳底動脈や上小脳動脈による圧迫,脳腫瘍,脳動脈瘤,多発性硬化症など,原因が明らかである場合は症候性三叉神経痛と呼ぶ.血管と三叉神経との関係を精査するためにMRI検査が重要である.特発性三叉神経痛治療ではまず鎮痙・鎮痛目的で,抗てんかん薬を使用する.無効な場合は,三環系抗うつ薬や抗痙縮薬を用いる.効果が認められない場合はステロイド薬を試みる.
〔治療の目標〕
顔面疼痛の緩和・除去.
〔効果判定の指標〕
自覚的な顔面疼痛の消失.
〔治療〕
下記の薬物治療を行うが,薬物でコントロールできない場合は神経ブロックを行う場合がある.ブロックには,三叉神経ブロック,眼窩上神経ブロック,眼窩下神経ブロック,上顎神経ブロック,下顎神経ブロ