学生にとっても,研修医にとっても,さらにまた実地医家にとっても,内科臨床をどのように学んだらよいか,常に悩んでおられることと思う.広範な内科学,絶えず流動的に躍進して,とどまるところを知らない内科学,しかも臨床医学の基礎としての内科学,私たちの心を魅了してはなさない内科学,この学問をどのように学んだらよいか,悩みをもつのは当然のことであろう.
内科学における診断と治療を中心に,各種疾患の概念や考え方について,up to dateな最新知識を要領よくとりまとめた臨床内科書は皆無であるといってもよい.なるほど信頼に足る内科学の教科書はわが国にもいくつかあるが,本書は決して単なる内科学教科書の役割を果たそうとしているものではない.ベッドサイドで,すぐに,しかもそのまま診療に役立つガイドブックとしての役割を演じさせようとして編集されたものである.
年とともに進展していく内科臨床の最新の知識を簡単