症候を診るポイント
●具体的な睡眠状況を確認する.
●不眠の原因となる身体疾患や精神疾患,薬剤を評価する.
▼定義
睡眠障害は睡眠に関連する障害で,睡眠障害国際分類第3版では不眠症,睡眠関連呼吸障害群,中枢性過眠症群,概日リズム睡眠・覚醒障害群,睡眠時随伴症群,睡眠関連運動障害群に大きく分けられている.
特に不眠症は成人の15~35%にみられるという報告があるほど頻度が多い症状である.不眠は入眠が困難であったり,睡眠維持が困難であったり,早期に起きてしまう状態で,日中に眠気や疲労や倦怠感が起こり,注意力の低下や攻撃的,衝動的などの問題行動を起こす原因となる.また,不眠は心血管イベントやうつ病を増やすことが知られており,適切に対処したい.
▼病態生理
不眠はさまざまな要因によって起こり,身体疾患や精神障害に随伴することも多い.薬剤そのものでも不眠となり,逆に薬剤の中断による反跳性不眠も起こる.高齢に