診療支援
治療

(1)喫煙関連間質性肺炎
吾妻 安良太
(日本医科大学教授・呼吸器内科)

▼概念

 剝離性間質性肺炎(desquamative interstitial pneumonia:DIP)と呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患(respiratory bronchiolitis-associated with interstitial lung disease:RB-ILD)が含まれる.

 Langerhans(ランゲルハンス)細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis:LCH)も組織所見,画像所見に類似の所見があり,喫煙関連間質性肺炎に位置づけられる.2013年の分類では新たにairspace enlargement with fibrosisが加わった.一方,DIPは喫煙以外にも膠原病,ウイルス感染,粉じん曝露などの関連も40%程度報告され,特に職業粉じん曝露との関連は少なくない.

▼臨床像

DIP

 IIPs全体の約3%に認められ,30~40歳代の喫煙者で,男性(2:1)に多いが,臨床所見は非特異的で断続性ラ音(crackles)60%程度に聴取し,ばち指26~46%程度に認める.

RB-ILD

 乾性咳嗽と労作時呼吸困難が主体で,喀痰,血痰,胸部不快感などの報告もある.症状は軽度で,40~50歳代の男性(2:1)に多く,捻髪音(fine crackles)を聴取することもあるが,ばち指は認めない.

▼検査所見

DIP

 呼吸機能上は軽度の拘束性換気障害を認めるに留まる一方で,拡散能は低下する症例が多い(85%).気管支肺胞洗浄液(BALF)には特に喫煙に認められる褐色の粒子を貪食した多数のマクロファージ浸潤が特徴的であるが,好中球,好酸球,リンパ球の浸潤もみうけられる.

RB-ILD

 拡散障害はあっても軽度にとどまる.気腫性変化が共存し,混合性換気障害を示すが,時に残気量の増加を示す.BALFではDIP同様褐色のマクロファージが多数

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