▼疾患概念
NSIPは外科的肺生検(surgical lung biopsy:SLB)による病理学的診断過程において,既存の間質性肺炎に分類しきれない間質性肺炎で,病変の時相が均一な症例群に対して1994年Katzensteinらにより整理され,提唱された疾患概念である.
組織学的にみたNSIPパターンは肺胞壁の炎症と線維化の時相が比較的均一(temporal uniformity)であるという点で,組織学的な時相の多様性(temporal heterogeneity)を呈する通常型間質性肺炎(usual interstitial pneumonia:UIP)パターンと異なる.またNSIPパターンは肺胞構造の破壊改築がみられる点で,器質化肺炎とは異なる〔本章「特発性器質化肺炎」の項の図2-25図も参照〕.
NSIPは最初の報告では特発性のみならず,膠原病,薬剤,過敏性肺炎,急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)軽快後や肺感染症後など,種々の肺疾患を原因として病理学的にNSIP所見を呈した症例が含まれていた.そのため当初は病理組織パターンとして認識された.現在,特発性NSIP(idiopathic NSIP:iNSIP)症例の検討結果から,IIPsの分類のなかで臨床画像・病理学的に,暫定的に独立した疾患概念として位置づけられている.したがってNSIPパターンを呈する症例の背景因子の探索は重要である.
iNSIPにおいて重要なことは,肺の炎症と線維化の観点から細分類すると,同じNSIPでも予後が多様である点である.ガイドラインでは細胞浸潤型非特異性間質性肺炎(cellular NSIP:cNSIP),線維化型非特異性間質性肺炎(fibrotic NSIP:fNSIP)に大別している.
▼症状・身体所見
IPFの症状・
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