●胸水や気胸に対して胸腔ドレーンを挿入し,胸水あるいは空気を体外に排出(ドレナージ)する治療である.
◎胸腔ドレーンはどこから入れる?
●広背筋の側縁,大胸筋の側縁,脇窩基部,第5肋間上の水平線で囲まれる領域はtriangle of safetyとよばれ,この領域から胸腔ドレーンを挿入することが推奨される(図2-79図).この領域では肋間筋のみで薄く,ほかの筋肉や乳腺組織への損傷を避けることができる.美容上も目立たず,特に第5~第6肋間中腋窩線であれば胸腔鏡手術が必要となった際にもポート孔として利用できる.胸腔ドレーンを挿入する際には肋間動脈を損傷しないよう肋骨上縁にそって挿入する.第2肋間鎖骨中線(乳頭線)上は,脱気を行うにはよいが,胸腔ドレーンの挿入には推奨されない.大胸筋が厚く出血しやすく,美容上の観点からも傷が目立つ.
◎どのくらいの太さのドレーンを使用する?
●ドレーンの太さは“フレンチ