今日の診療
治療

5 アイゼンメンゲル症候群
Eisenmenger syndrome
八尾 厚史
(東京大学講師・保健・健康推進本部)

学びのポイント

●Eisenmenger症候群の定義から,本症候群がどうして進行性・不可逆性疾患とされてきたのかを理解する.そして,現代の医療でもこの概念に変わりはないのかどうかに関して改めて考察することが重要である.

▼定義

 1897年,オーストリアのVictor Eisenmenger医師が,大量喀血で突然死した心室中隔欠損の32歳男性の剖検例を報告したが,後にこの症例がEisenmenger症候群の第1例とされた.

 Eisenmenger症候群の概念は,1958年に英国のPaul Wood医師が提唱した概念から大きく変化していない.すなわち,短絡性先天性心疾患において,大量の左右シャントにより誘起された閉塞性肺血管病変による肺血管抵抗値上昇が原因となり体血圧なみの肺高血圧状態を呈し,相当量の右左(逆)シャントを生じるようになった病態と定義され,この定義は今も大きく変わってはいない.Eis

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