▼病態
胃切除後の栄養障害としては一般的で,鉄欠乏による小球性低色素性貧血とビタミンB12低下による巨赤芽球性貧血がある.前者は胃切除後の約30%以上の患者に認められ,食事摂取量の低下や胃酸分泌低下による鉄の吸収障害,残胃粘膜からの慢性的な出血が原因と考えられる.赤芽球系に必要な鉄の大部分は閉鎖的鉄代謝によりまかなわれており,胃切除直後には症状は認めない.胃切除後巨赤芽球性貧血の原因はビタミンB12吸収障害である.食事中のビタミンB12は胃液で分解され胃体部
胃切除後の栄養障害としては一般的で,鉄欠乏による小球性低色素性貧血とビタミンB12低下による巨赤芽球性貧血がある.前者は胃切除後の約30%以上の患者に認められ,食事摂取量の低下や胃酸分泌低下による鉄の吸収障害,残胃粘膜からの慢性的な出血が原因と考えられる.赤芽球系に必要な鉄の大部分は閉鎖的鉄代謝によりまかなわれており,胃切除直後には症状は認めない.胃切除後巨赤芽球性貧血の原因はビタミンB12吸収障害である.食事中のビタミンB12は胃液で分解され胃体部
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