診療支援
治療

6 胃リンパ腫
gastric lymphoma
中村 昌太郎
(岩手医科大学准教授・消化器内科消化管分野)

疾患を疑うポイント

●胃癌についで頻度が高い胃悪性腫瘍.

●胃癌との鑑別が重要であり,明瞭な病変境界や潰瘍辺縁の不整さを欠く非上皮性腫瘍の特徴を認識することが重要.

学びのポイント

●組織型ではMALTリンパ腫と,DLBCLの頻度が高い.

●治療法は多岐にわたり,適切な組織診断と病期診断を行ったうえで決定する.

▼定義

 胃に発生するリンパ増殖性疾患であり,胃原発リンパ腫と全身性リンパ腫の胃浸潤とがある.

▼病態

 胃mucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫の約90%はHelicobacter pylori(H. pylori)感染胃炎を基盤に発生する.胃びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)は胃MALTリンパ腫からの形質転換,H. pylori感染胃粘膜からのde novo発生,他臓器や節性D

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