今日の診療
治療

2 先天性門脈欠損症
congenital absence of portal vein
清水 雅仁
(岐阜大学大学院教授・消化器病態学)

▼定義

‍ 先天性門脈体循環短絡症はシャントの状態によって多彩な血行動態を示すが,特に門脈の低形成または欠損により,門脈血流のすべてまたは一部が肝臓を灌流せず体循環に流入するものを先天性門脈欠損症と定義する.

▼病態

 胎生期の門脈形成過程における異常が原因である.発症には遺伝的素因が関連していると考えられている.

▼疫学

 先天性門脈体循環短絡症全体の発生頻度は,出生30,000例に1例程度であり,先天性門脈欠損症に限ればその発症頻度はさらに低い.先天代謝異常症のマススクリーニングで,ガラクトース高値を契機に発見される症例がある.

▼症状

 多くは無症状であり,肝性脳症肝腫瘍から偶然診断される症例も多い.症状としては肝性脳症(門脈圧亢進症・高アンモニア血症)や肝腫瘍のほかに,肝肺症候群(肺内シャント),肺高血圧症,高インスリン性の低血糖,頭痛,軽度の発達遅延,多動傾向,脳膿瘍などがある.一般に肝硬変

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