肝線維性多囊胞性疾患は,胆管性微小過誤腫〔von Meyenburg(フォン・マイエンブルグ)complexes〕や総胆管囊腫を含む肝胆道線維性多囊胞性疾患の1つであり,肝線維化を伴うことが多い.形成異常が生じた胆管の部位により,Caroli(カロリ)病,先天性肝線維症,胆管性微小過誤腫に分類される(大河内信弘,福永 潔,野口雅之,他:多発性肝囊胞診療ガイドライン.厚生労働省,2013).
➊先天性肝内胆管拡張症(congenital intrahepatic ductal dilatation,Caroli病)
比較的太い肝内胆管が形成障害により分節状,囊状に拡張する.100万人に1人程度で性差はない.拡張した胆管には線維化や炎症細胞浸潤がみられる.造影CTや造影MRIでは拡張した肝内胆管の中に点状の強い増強効果(central dot sign)が,またMR胆管膵管撮影(MR chol