▼概念
転移性肝癌とは肝外で発生した癌が血行性,リンパ行性に肝に転移した病巣をいう.転移性肝癌の原発巣は門脈支配領域の消化器癌(大腸癌,胃癌,膵癌など)や乳癌,肺癌,頭頸部癌,婦人科(子宮や卵巣)の癌,腎癌などが多い.転移性肝癌の結節の中心部は白色ないし乳黄白色であり,中心部はしばしば壊死をきたすことが多い.進展例においては肝腫大,患部圧痛,発熱,黄疸,全身倦怠感がみられることがあるが,腫瘍が小さい場合は無症状である.
▼検査所見・診断
転移性肝癌では,ALPやLDHの上昇,AST,ALTの上昇がみられ,また各原発巣の腫瘍マーカーの上昇がみられる.
転移性肝癌を疑った場合,鑑別診断に造影剤を使用した画像検査を施行すべきである.腹部超音波検査では,Bモードで低エコーあるいは辺縁低エコー帯(halo)・中心部高エコー(bull's eye sign)を示すことが多い.ペルフルブタン薬造影剤による