疾患を疑うポイント
●どの患者にも生じうる非特異的な検査異常.
●軽度ならば無症候であるが,高度な低蛋白血症では浮腫,胸水,腹水がみられる.
学びのポイント
●低蛋白血症をきたす成因として肝臓での蛋白合成低下,異化亢進,体内分布の変化,体外漏出が挙げられる.
●血清中の主たる蛋白はアルブミンであり,低蛋白血症の多くは低アルブミン血症を呈する.
●血漿膠質浸透圧はアルブミンで維持されているため,低アルブミン血症で血漿膠質浸透圧が低下すると,血管内の水は血管外に移動し浮腫,胸水,腹水を生じる.最重症例では循環血漿量減少によって血圧が低下する.
●低アルブミン血症自体は有害でないため,まず原疾患を治療し病態を改善することが優先.
▼定義
血清総蛋白濃度が低下した状態.血清蛋白の約60%はアルブミンであることから,低蛋白血症は多くの場合アルブミンの低下を反映する.
▼病態
蛋白はアミノ酸のポリペプチドであり,蛋白合
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