疾患を疑うポイント
●新生児マススクリーニングの対象疾患であるが,新生児期に発症する古典型の病態が存在し,生後1週間程度で嘔吐,けいれん,昏睡などの症状をきたす.
●マススクリーニングの結果が判明する前に発症していることが少なくないため,上記の症状がみられた新生児では,血液ガス検査によるアシドーシスの有無を確認することが診断のきっかけとなる.
学びのポイント
●アミノ酸代謝異常症に分類されるが,αケト酸脱水素酵素複合体の欠損によりαケトイソカプロン酸などのαケト酸の代謝が障害されている.そのため,ロイシン,イソロイシン,バリンなどのアミノ酸が上昇するとともにαケト酸が上昇し,アシドーシスをきたす.
▼定義
分枝鎖α-ケト酸脱水素酵素複合体(branched-chain α-keto acid dehydrogenase complex:BCKD complex)はE1α,E1β,E2,E3 の4つ