疾患を疑うポイント
●新生児マススクリーニングの対象となっているが,マススクリーニングの結果が判明する前に発症していることが少なくない.
●代謝性アシドーシスを認めるほか,急性期には高アンモニア血症,低血糖,トランスアミナーゼの上昇などがみられる.
学びのポイント
●有機酸代謝異常症の一部は,タンデムマス・スクリーニングにより新生児期に診断可能となった.
●有機酸が体内に蓄積すると,酸塩基平衡を維持するために有機酸の尿中への排泄が亢進する.そのため,有機酸は尿中に多く検出される傾向があり,確定診断には尿中有機酸分析が有用.
▼定義
アミノ酸代謝の過程でアミノ基が除去された代謝産物が,その後の代謝過程の酵素の異常によって蓄積し,アシドーシスをはじめとするさまざまな病態をきたす.
▼病態
代謝経路と欠損酵素の違いによって,多くの有機酸代謝異常症が知られている.新生児マススクリーニングの対象となっているものだ
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