診療支援
治療

(13)ビタミンC欠乏症
呉 繁夫
(東北大学大学院教授・小児病態学)

 ビタミンCは,水溶性ビタミンの1つで,化学的にはL-アスコルビン酸(L-ascorbic acid)をさす.ヒトはアスコルビン酸の生合成系を欠くため,必要量をすべて食事などから摂取する必要がある(ヒト,サル以外のほとんどの動物は,グルコースからアスコルビン酸の生合成が可能).ビタミンCは,レモン・オレンジ・グレープフルーツなどの柑橘類や柿・キウイ・トマトなどの食品に多く含まれているが,熱に弱いため加熱により破壊される.成人の摂取推奨量は100mg/日である.ビタミンCを含まない食事を2~3か月続けるとビタミンC欠乏症である壊血病を発症する.ビタミンCの生理作用はきわめて多様であるが,ここでは基盤となる3つを以下に示す.この3つの作用のほかにも生理活性を有し,抗腫瘍作用,抗アレルギー作用,抗老化作用など多様な効果が発揮されると考えられている.

ビタミンCの生理作用

1)コラーゲンの生合成

 コ

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