診療支援
治療

(1)高尿酸血症
hyperuricemia
市田 公美
(東京薬科大学教授・病態生理学)

▼定義

 プリン骨格を有する物質をプリン体といい,プリン塩基,プリンヌクレオシド,ATPなどのプリンヌクレオチドやDNAやRNAといった核酸の構成物質となっている.尿酸はプリン体の最終代謝産物であり,高尿酸血症とは血液中の尿酸の飽和濃度を上回る血清尿酸値7.0mg/dLを超えた状態と定義されている.

▼病態

 血清尿酸値は,アルコール摂取,体重増加,脱水や激しい運動などにより上昇しやすい.尿酸が難溶性の物質であることから,高尿酸血症になると関節や臓器に尿酸の析出と沈着が起こりやすくなり,高尿酸血症の持続により痛風,尿路結石や腎障害を発症する.

 急激な変動などがなければ,血清尿酸値は体内の尿酸プールを反映しており,尿酸プールの大きさは尿酸への代謝(合成)と排泄のバランスにより決まる.体内の尿酸の大部分は,体内でプリン体から代謝されたものであり,尿酸の排泄の約2/3は腎臓が,残りのほとんどは消化管が

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