診療支援
治療

(1)レッシュ-ナイハン症候群(ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症)
Lesch-Nyhan syndrome/hypoxanthine-guanine phosphoribosyltransferase deficiency
植木 将弘
(北海道大学病院・小児科)
有賀 正
(北海道大学名誉教授)

疾患を疑うポイント

●生後3~6か月:筋緊張低下と哺乳や発育の不良.

●1歳頃:発達遅滞.

●2~3歳頃:自傷行為,舞踏病アテトーゼなどの錐体外路症状や痙性など錐体路症状.

▼定義

 Lesch-Nyhan(レッシュ-ナイハン)症候群はプリン体代謝経路のhypoxanthine-guanine phosphoribosyltransferase(HPRT)の酵素活性低下により神経症状自傷行為,痛風性関節炎や腎症などの高尿酸血症による症状を呈するX連鎖性劣性(潜性)遺伝形式の疾患である.

▼病態

 高尿酸血症は,HPRTの活性低下により基質であるグアニン,ヒポキサンチンの再利用障害とde novo経路のホスホリボシルピロリン酸の利用障害により発症する.自傷行為や神経症状の病態は不明ながら,高尿酸血症との直接的な関連性は明らかでない.病理学的・薬理効果の研究からドパミンなど神経伝達物質との関連が示唆されて

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