今日の診療
治療

1 マルファン症候群
Marfan syndrome
平田 恭信
(東京逓信病院・名誉院長)

▼定義

 1896年にフランスの小児科医であるMarfan(マルファン)によって最初に報告されたことより,この名がある.FBN1の遺伝子変異により,大動脈,眼,肺,骨格,皮膚など全身の結合織が脆弱になる.大動脈瘤・解離が生命予後に直結する.

▼病態

 全身の結合織がゆるくなる病態であり,フィブリリン-1をコードするFBN1の変異が原因である.フィブリリン-1は細胞外基質の構成成分であるので,その遺伝子変異は細胞外基質の構造上の脆弱性を招く.同時にフィブリリン-1はトランスフォーミング増殖因子(transforming growth factor:TGF)βの前駆体蛋白の結合部位を有し,TGFβの活性化にもかかわっている.FBN1の変異によりTGFβの活性がアップレギュレートされると考えられている.

 その結果,①大動脈瘤,大動脈解離,②心臓弁不全(僧帽弁逸脱,大動脈基部拡張による大動脈弁閉鎖不全)

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