疾患を疑うポイント
●易疲労感,浮腫,寒がり,便秘など非特異的な症状の原因となる.
●コレステロール値やCK値の上昇がみられる.
●硬く腫大した甲状腺腫を触れる.
●先天性甲状腺機能低下症ではクレチン症という特有な発達障害を呈する.
学びのポイント
●頻度が高いが見逃されることも少なくない.症状や所見の組み合わせから本疾患を疑うことが重要である.
●障害部位によって,原発性と続発性(中枢性)に分類される.
●先天性甲状腺機能低下症ではクレチン症とよばれる特徴的な発達障害を示す.
●ホルモン補充を行うが,副腎皮質機能低下症合併例では副腎皮質ホルモンを先に補充する.
▼定義
甲状腺ホルモンの合成・分泌低下により甲状腺ホルモンが組織に十分作用しない疾患である.特殊な例として,組織が甲状腺ホルモンに反応しない状態も広義の甲状腺機能低下症に含まれる.
▼病態
甲状腺機能低下症は,さまざまな原因のために甲状腺ホルモンの合成