疾患を疑うポイント
●小児~高齢者のいずれの年齢でも発症しうる.
●しびれ,テタニー,全身けいれんなどで発症する.
●低Ca血症と正~高リン血症が存在する.
●頸部手術などの既往があれば二次性を疑う.
学びのポイント
●副甲状腺機能低下症は副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌低下または作用不全で起こる.
●生命予後は良好であるが,重篤なテタニーを呈し緊急治療を要することもある.また,軽度の低Ca血症でも,しびれ感や思考力低下などにより日常生活の質が低下する.
●てんかんなどと誤診されている場合もある.
▼定義
副甲状腺(上皮小体)機能低下症は,PTH作用低下に基づき,低Ca血症と正~高リン血症を呈する疾患である.
▼病態
副甲状腺からのPTH分泌が低下したPTH不足性副甲状腺機能低下症と,標的臓器のPTHに対する反応性が低下した偽性副甲状腺機能低下症(pseudohypoparathyroidism)との2つに
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