診療支援
治療

1 骨粗鬆症
osteoporosis
鈴木 敦詞
(藤田医科大学教授・内分泌・代謝内科学)

疾患を疑うポイント

●退行期に加齢とともに急速に増加する.

●脆弱性骨折の発生を特徴とするが,一般生化学検査に異常値を認めない.

学びのポイント

●骨強度の低下によって脆弱性骨折が増加する慢性疾患.

●骨強度は骨量と骨質の2つの要素から決定される.骨量は骨密度ともよばれる.代表的な測定法にDXA法がある.

●骨代謝のバランスを整え,骨量を回復するために,骨吸収抑制薬と骨形成促進薬とが用いられる.

▼定義

 骨粗鬆症は,低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし,骨の脆弱性が増大し,骨折の危険性が増大する疾患と定義される.骨強度は,骨量(骨密度)と骨質とによって定義される.骨量は骨密度検査で測定する.骨質とは,骨微細構造・骨代謝回転・微小骨折などを含む概念的な言葉である.

▼病態

 骨は成人に達すると最大骨量を獲得するが,その後は徐々にカルシウム出納は負に傾く.特に女性は,閉経を機に急激に骨量が減少し,骨強度が低

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