診療支援
治療

(2)1,25-水酸化ビタミンDによる高カルシウム血症
hypercalcemia by 1,25-dihydroxyvitamin D
福本 誠二
(徳島大学先端酵素学研究所・藤井節郎記念医科学センター特任教授)

▼定義

 活性型ビタミンD3製剤の過剰投与に加え,いくつかの疾患では1,25-水酸化ビタミンDが腎近位尿細管ではなく異所性に産生され,高Ca血症を惹起することがある.

▼病態

 1,25-水酸化ビタミンDによると考えられる高Ca血症が報告されている疾患は数多い(表7-35)

 このなかで頻度の高いものは,サルコイドーシスによる高Ca血症である.サルコイドーシスでは,肉芽腫病変に存在するマクロファージがインターフェロンγの刺激で25-水酸化ビタミンD-1α-水酸化酵素を発現し,異所性に1,25-水酸化ビタミンDを産生することが報告されている.その他の疾患では,必ずしも1,25-水酸化ビタミンD産生細胞は特定されていないものの,マクロファージ,あるいはリンパ球系細胞が1,25-水酸化ビタミンDを産生するものと考えられている.1,25-水酸化ビタミンDは,腸管Ca吸収の促進,腎遠位尿細管Ca再吸収促

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