疾患を疑うポイント
●特定の内分泌腫瘍の個人・家系内での集積.
●若年での発症,多発・再発.
学びのポイント
●複数の病変の合併をもとに診断される疾患で,疑わしい症例に対する効率的な検索が重要.
●同じ病変でもMENか否かで治療方針が異なるものがある.
●適切な遺伝学的検査による診断が必要.
●同じリスクを有する可能性がある血縁者へのアプローチも必要となる.
▼定義
原因遺伝子の病的バリアント(変異)により,特定の内分泌臓器を中心に良性・悪性の腫瘍性病変を発症する常染色体優性遺伝性疾患.
▼病態
MEN1とMEN2は,それぞれ病態も原因遺伝子も異なる別個の疾患である.いずれも常染色体優性遺伝性疾患で,変異保持者はほぼ100%の確率で生涯のうちになんらかの関連病変を発症する.変異遺伝子は50%の確率で親から子に伝わる.
➊MEN1
腫瘍抑制遺伝子であるMEN1の機能喪失型変異により,特定の臓器に腫瘍性病変を発症