学びのポイント
●血液凝固検査は,PT,APTTが最も基本的であるが,これらのマーカーのみで評価できる疾患・病態には限界がある.DICは,PT,APTTのみでは診断できない.
●原因不明のAPTT延長に遭遇した場合には,クロスミキシング試験が有用である.
●DICやDVT,PEの評価には,D-ダイマーが有用である.
●TAT,PICは凝固線溶活性化を評価するための優れたマーカーである.
▼血栓止血学からみた血液の性格
血液は,正常時には血管内では凝固せずに循環し,血管外では凝固して止血する.この生理的現象が時に破綻する.すなわち,血管内で凝固したり(血栓症),血管外に出ても凝固しない(異常出血)ことがある.凝固・線溶関連マーカーは,出血性疾患や血栓性疾患の診断,病態把握に重要である.
▼止血・血栓の機序
➊血小板と凝固因子の役割
止血(生理)も血栓症(病態)も,血管を反応の場として血小板と凝固因子が役割
関連リンク
- 新臨床内科学 第10版/【5】播種性血管内凝固症候群
- 臨床検査データブック 2023-2024/活性化部分トロンボプラスチン時間〔APTT〕 [保] 29点
- 臨床検査データブック 2023-2024/フィブリノゲン [保] 23点
- 臨床検査データブック 2023-2024/Dダイマー《D-Dダイマー》 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固因子活性検査 von Willebrand因子〔VWF〕 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/アンチトロンビン〔AT〕 [保] 70点
- 臨床検査データブック 2023-2024/プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1〔PAI-1〕 [保] 240点(包)
- 新臨床内科学 第10版/【5】フォン・ヴィレブランド病
- 新臨床内科学 第10版/【6】その他の先天性凝固因子欠乏症