今日の診療
治療

【5】抗リン脂質抗体症候群
antiphospholipid syndrome(APS)
家子 正裕
(北海道医療大学歯学部教授・内科学)

疾患を疑うポイント

●若年~高齢者の原因不明の動静脈血栓症.

●原因不明の習慣流産などの妊娠合併症.

●出血症状のない原因不明の血小板減少やAPTT延長症例.

学びのポイント

●免疫機序による代表的な後天性血栓性素因.

●血中にaPLが12週間以上持続して検出され,動静脈血栓や妊娠合併症の臨床症状を認めた場合にAPSと診断する.

●aPL関連症状は多彩で多くの診療科にまたがる.

●APS病態の発症機序は明確ではなく,治療は抗血栓療法が主体となる.

▼定義

 血中に抗リン脂質抗体(antiphospholipid antibody:aPL)が検出され,動静脈血栓症および妊娠合併症などの臨床症状を有する疾患群.

▼病態

 APSに関与するaPLは,β2-グリコプロテインⅠ(β2-glycoproteinⅠ:β2GPⅠ)やプロトロンビンなどのリン脂質結合蛋白とリン脂質の複合体を認識する自己抗体であり(図8-47),梅

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