診療支援
治療

【2】細胞表面マーカー解析
cell surface marker analysis
米山 彰子
(虎の門病院・中央検査部部長)

 造血器腫瘍の診断や経過観察にあたって,細胞表面や細胞質の抗原解析は必須である.

▼基礎知識

 解析にはフローサイトメーターと,抗原に反応させる蛍光標識モノクローナル抗体を用いる.

‍ モノクローナル抗体は国際ワークショップでclusterとして整理分類され,統一的CD(cluster of differentiation)番号がつけられている.CD番号は対応する抗原についても用いられる.

 フローサイトメーターは,蛍光染色した細胞などの粒子を細い流路に流し,それにレーザー光をあて,放射される散乱光や蛍光を細胞単位で測定する装置である.散乱光のうち,励起光の進入方向とほぼ同じ方向に放射される前方散乱光(forward scatter:FSC)の強さは細胞の大きさを反映し,直角方向に放射される側方散乱光(side scatter:SSC)の強さは細胞内部構造を反映する.FSC-SSCあるいはSSC-

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