疾患を疑うポイント
●60歳代に発症のピークがあり,動静脈血栓症の既往がある患者が多い.顔面は紅潮し,高血圧,頭痛,めまいなど血流障害の症状を呈する.半数が検診などで偶然に発見される.
学びのポイント
●病因はJAK2遺伝子変異によるサイトカインシグナルの亢進.
●予後は比較的良好であり,治療の目標は血栓症リスクの低減.
▼定義
造血幹細胞レベルで生じた異常により血球産生が亢進する腫瘍性疾患である.慢性骨髄性白血病,本態性血小板血症,原発性骨髄線維症とともに骨髄増殖性腫瘍に分類される.白血球や血小板も増加するが,特に赤血球増加が顕著で,チロシンキナーゼJAK2の遺伝子変異がほぼ全例に認められる.
▼病態
JAK2はエリスロポエチン(erythropoietin:EPO),トロンボポエチン,顆粒球コロニー刺激因子といった造血サイトカインのシグナル伝達を担うチロシンキナーゼである.変異は617番目のアミノ
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/アスピリン《バイアスピリン》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)アスピリン・ダイアルミネート《バファリン》
- 治療薬マニュアル2024/ブスルファン《マブリン》
- 治療薬マニュアル2024/ブスルファン《ブスルフェクス》
- 治療薬マニュアル2024/ラニムスチン《注射用サイメリン》
- 今日の治療指針2024年版/骨髄異形成症候群
- 今日の治療指針2024年版/真性赤血球増加症
- 今日の治療指針2024年版/本態性血小板血症
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/10 血栓性微小血管障害症(TMA)
- 新臨床内科学 第10版/【14】本態性血小板血症
- 新臨床内科学 第10版/【15】骨髄線維症
- 今日の診断指針 第8版/骨髄増殖性腫瘍