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治療

【20】ランゲルハンス細胞組織球症
Langerhans cell histiocytosis(LCH)
山口 素子
(三重大学医学部附属病院・血液内科講師)

▼定義

 CD1a,ランゲリン,S100蛋白を発現するLangerhans(ランゲルハンス)細胞に類似した特徴を有する異常細胞がクローナルに増殖する腫瘍性疾患で,電顕でBirbeck(バーベック)顆粒が認められる〔第2章のも参照〕.

▼病態

 単一臓器の単発性病変として発症する場合〔単一臓器(single system:SS)〕と,多臓器に病変を認める場合〔多臓器(multi system:MS)〕の2つに大別される.

 単一臓器の場合,乳幼児で頭部の膨隆として気づき,頭蓋骨に溶骨性病変を生じる例が多い.頭蓋骨のほか,大腿骨,椎骨,骨盤骨,肋骨およびその周辺の軟部組織に好発する.成人では,喫煙者の肺に生じることが多い.そのほか頻度は低いが,リンパ節,皮膚にも病変をきたしうる.

 多臓器に発生するのは3歳以下の乳幼児が多く,皮膚,骨,肝,脾,骨髄が好発部位である.全身性であっても,精巣および卵巣と腎の病変はないことが多い.発熱のほか,病変部位に応じた症状を示す.肺では気胸を生じることがあり,下垂体浸潤により尿崩症をきたすことがある.

▼疫学

 きわめてまれな疾患であり,年間の発生頻度は約0.5人/10万人である.北欧白人に多く,黒人ではまれである.大半の患者は小児期に発生し,小児例では男児が多い.成人で肺に原発するものは喫煙との関連がある.

▼分類

 以前は病態に応じて,Letterer-Siwe(レテラー-ジーヴェ)病Hand-Schüller-Christian(ハンド-シュラー-クリスチャン)病好酸球性肉芽腫とよばれ,総じてhistiocytosis Xと命名されていたが,現在はLCHに一括されている.

 病変が単一臓器に限られるもの,2つ以上の臓器に病変があるものがある.前者のうち,単一臓器で複数の病変(多巣性病変)を有するものを分けることがある.

▼診断

 病変部の生検による.増殖細

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