今日の診療
治療

【25】H鎖病(重鎖病)
H chain disease(heavy chain disease)
中世古 知昭
(国際医療福祉大学主任教授・血液内科学)

▼定義

‍ H鎖病(重鎖病)は,単クローン性に免疫グロブリン重鎖のみの過剰産生を特徴とする腫瘍性のB細胞性リンパ形質細胞増殖性疾患である.H鎖は一部が欠損しており,軽鎖が結合しない.

▼分類

 H鎖の種類により,γ鎖病α鎖病μ鎖病に分類され,それぞれ臨床像が異なる.まれな疾患であるが,α鎖病の頻度が最も高い.なお,重鎖沈着症(heavy chain deposition disease)は単クローン性免疫グロブリン沈着症に属する別の疾患概念である.

γ鎖病

 1964年にFranklinらが初めて報告し,これまでに130例余りが報告されている.やや女性に多く,年齢中央値は68歳である.IgG重鎖の一部が欠失するため軽鎖と結合しない分子量27,000~49,000のγ鎖が血清中に検出され,蛋白電気泳動ではβ~γ位にM蛋白として認められる.初発19例のM蛋白量の中央値は,1.59g/dL(0.40

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