診療支援
治療

2 急速進行性糸球体腎炎症候群
rapidly progressive glomerulonephritic syndrome(RPGN)
廣村 桂樹
(群馬大学大学院教授・腎臓・リウマチ内科学)

▼定義

 急速進行性糸球体腎炎症候群(RPGN)は,血尿,蛋白尿,円柱尿などの糸球体腎炎を示す尿所見を伴い,放置すると数週から数か月で急速に腎機能が低下し末期腎不全に至る臨床症候群である.病理学的には壊死性半月体形成性糸球体腎炎を呈することが多い.

▼病態

 RPGNの病理学的な特徴である壊死性半月体は次のような機序で生じる.後述の病型分類に記載した種々の病因により,糸球体毛細血管内で激しい炎症が惹起され,糸球体毛細血管壁やメサンギウムに壊死性病変が生じる.糸球体毛細血管壁は断裂し,Bowman(ボーマン)腔内にフィブリンなどの血漿成分が析出する.そこに単球・マクロファージが浸潤,増殖し,さらにBowman囊上皮細胞も増殖し,半月体が形成される.半月体は細胞性半月体,線維細胞性半月体,線維性半月体と経時的に変化する.

▼疫学

 RPGNは比較的まれな疾患であるが,近年わが国では増加している.新規にR

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