診療支援
治療

2 肝炎ウイルス関連腎症
hepatitis virus associated nephropathy
安藤 亮一
(武蔵野赤十字病院・副院長)

疾患を疑うポイント

●B型肝炎,C型肝炎ウイルス持続陽性患者で,蛋白尿(ネフローゼ症候群を呈することが多い),血尿,あるいは腎機能低下を呈する.

学びのポイント

●肝外症状の1つであり,進行すると末期腎不全で透析に至り,死亡率の増加に関連する.

●B型肝炎では,膜性腎症が,C型肝炎では,クリオグロブリン血症を伴う膜性増殖性糸球体腎炎が代表的である.

●ウイルス性肝炎の治療が基本である.C型肝炎関連腎症で,蛋白尿が高度例,進行例では,免疫抑制療法が有効である.

▼病態

‍ B型肝炎ウイルス関連腎症は,HBe抗原を含む免疫複合体が腎糸球体上皮下に沈着する膜性腎症が代表的であり,HBs抗原を含む免疫複合体では膜性増殖性糸球体腎炎をきたす.頻度は少ないが,IgA腎症,血管炎をきたすことがある.

 C型肝炎ウイルス関連腎症は,C型肝炎ウイルスを抗原とした免疫複合体が腎糸球体内皮下に沈着して起きる膜性増殖性糸球体腎炎

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