疾患を疑うポイント
●しばしば,若年者にも発症し,女性,小児にも発症する脳血管障害.
●女性に発症することが多く,妊娠や経口避妊薬の影響が挙げられる.80%が急性,亜急性の経過を示す.
●症状は頭痛,けいれんが多い.病変の部位により運動麻痺や失語などの局所神経徴候を示す.
学びのポイント
●脳静脈洞・脳静脈閉塞(血栓)症は,凝固亢進状態が背景に存在する.
●診断は,画像検査が主として行われ,造影CT,CT静脈造影,MRI,MRVや造影MRVにより診断される.
●治療は抗凝固療法が行われる.低分子ヘパリンが未分画ヘパリンより有効かつ安全であるとの報告がある.
脳静脈洞・脳静脈閉塞(血栓)症は,脳静脈・静脈洞系の血栓症で,しばしば,若年者にも発症し,女性,小児にも発症する脳血管障害で,年間の発症率は10万人あたり1.32~1.57人と推定されている.女性に発症することが多く,妊娠や経口避妊薬の影響が挙げられ