診療支援
治療

【1】脳・脊髄血管障害
cerebrovascular and spinal vascular diseases and stroke
大槻 俊輔
(近畿大学病院・脳卒中センター教授)
松本 昌泰
(堺市立総合医療センター・顧問)

疾患を疑うポイント

●脳血管障害(脳卒中)は高齢者から壮年期まで高頻度に発症しうる.

●意識障害,片麻痺,言語障害,視野障害,失行・失認,頭痛が急性発症し,症状の進行や動揺もみられる.

●脊髄血管障害は脳卒中と比べまれで,外傷機転がなく運動性対麻痺が短時間で進行し完成する.

学びのポイント

●脳・脊髄血管障害は,高血圧・糖尿病・脂質異常症・心房細動や塞栓性心疾患・喫煙や大量飲酒・内臓肥満を病因・危険因子として発症する.

●臨床的には脳や脊髄を灌流する各血管の閉塞や破綻に伴い局所に応じた神経徴候が急に生じる.

●わが国では年間約15万人発症し,5~6人に1人が生涯に1回は脳卒中に罹患する.

●超急性期治療により救命,麻痺や失語症などの後遺症を最小限にできるため,“Time is Brain.”を念頭に,遅滞なく初期診療に当たることが肝要.

●入院後も全体で15%に症状進行,4%に再発が生じ,機能転帰不良に直結

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