中枢神経系における悪性リンパ腫には,中枢神経系原発悪性リンパ腫,全身性悪性リンパ腫の中枢神経系への浸潤,血管内リンパ腫症,lymphomatosis cerebri,傍腫瘍性神経症候群などがある.
➊中枢神経系原発悪性リンパ腫(primary central nervous system lymphoma:PCNSL)
中枢神経系原発悪性リンパ腫はリンパ腫が中枢神経系内にのみ存在するもので,ほとんどが非Hodgkin(ホジキン)リンパ腫の大細胞型B細胞性リンパ腫である.高齢者やHIV感染症例などの免疫機能低下状態に合併することも多い.認知症状に関しては,急性・亜急性の進行性認知機能低下を呈する.
MRIではT1強調画像で低~等信号,T2強調画像で低~高信号を示す.拡散強調画像では高信号となる.造影MRIでは,均一な造影効果を認める.しかし,悪性リンパ腫のMRI画像所見は多様で,上記以外の所
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