診療支援
治療

6 痙性斜頸
spasmodic torticollis,cervical dystonia
目崎 高広
(榊原白鳳病院・診療顧問)

疾患を疑うポイント

●頭部を正しい位置に保てないという主訴で来院することが多い.

学びのポイント

●痙性斜頸は局所性ジストニアの一型であり,近年では頸部ジストニア(cervical dystonia)と呼称される.頭部の回旋・側屈・前後屈などさまざまな異常姿勢をとり,半数以上で痛みを伴う.

●斜頸はジストニア以外でも生じる.ほかの原因による斜頸を鑑別する必要がある.

▼定義

 脳の運動調節障害として,頭部を支える頸部筋の収縮と弛緩とが本来のバランスを失い,頭位の維持と頭部の随意運動とが困難になる疾患である.

▼病態

 頸部筋の不随意収縮により頭位の保持や頭部の運動(上下左右を向く)が妨げられる.頭位偏倚(頭部が異常な向きで固定される),頭部の不随意運動,頭部の運動制限,頸部~上背部の疼痛のうちいくつかを呈する.症状は患者によって異なるが,個々の患者では固有である(定型性).安静によって一時的に改善し,逆に

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