診療支援
治療

(2)アルコール依存症
alcoholic dependence
大矢 寧
(国立精神・神経医療研究センター病院・脳神経内科医長)

 慢性大酒は耐性依存性を生じる.神経障害,筋障害,肝障害,膵炎,心筋症,心房細動,貧血,感染,骨折,脳卒中も生じやすい.転倒・外傷の反復,不規則な通院,栄養障害,末梢神経障害,高齢発症の全身けいれん,失禁,食欲低下,睡眠障害・睡眠時無呼吸,うつ,社会的孤立,肝障害,血清γ-GTP高値,平均赤血球容積増大,血糖コントロール不良などでも疑う.大球性貧血には葉酸の不足以外に利用障害もある.依存の背景には孤立が多い.家族や周囲にも影響が大きく,アルコー

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