診療支援
治療

(1)ネマリンミオパチー
nemaline myopathy
久留 聡
(国立病院機構鈴鹿病院・院長)

▼定義

‍ ネマリン小体は,筋線維内にみられる糸屑状の構造物でありGomoriトリクローム変法で黒紫色に染色される(図10-85a).筋病理においてネマリン小体を認め筋力低下をきたす神経筋疾患のうち,ほかの病態(ミトコンドリアミオパチー,炎症性ミオパチー,セントラルコア病,中毒性ミオパチーなど)に伴う場合を除外したものと定義される.

▼病態

 先天型では,フロッピーインファントの像を呈し,嚥下障害,呼吸障害を伴いやすい.顔面筋罹患はあるが外眼筋は保たれる.四肢の筋萎縮・筋力低下は遠位優位である.

▼疫学

 出生5万人に1人と推定される.先天性ミオパチーのなかで最も多い疾患である.

▼分類

 発症時期により新生児重症型,小児期発症型,成人発症型に分類される.原因遺伝子はこれまでにACTA1NEBTPM3TPM2TNNT1CFL2RYR1KBTBD13KLHL40KLHL41LMOD3

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