▼定義
小脳扁桃や延髄が大後頭孔より脊柱管内に陥入した状態をChiari(キアリ)奇形という.
▼分類
形態学的に1~4型に分類される.小脳扁桃のみ脊柱管内に下垂する1型と小脳虫部から延髄まで脊柱管内に下垂する2型とに大別される.Arnold-Chiari(アーノルド-キアリ)奇形とはこの2型のことを指す.後頭蓋窩髄膜瘤を伴うものを3型,小脳形成不全を伴うものを4型とよぶが,その頻度はきわめてまれであり割愛する.
▼病態
Chiari奇形1型は後頭蓋窩形成不全を背景として後頭蓋窩容積と神経組織容積との不均衡をきたして発生する.Chiari奇形2型は,脊髄髄膜瘤に合併して発生する.
▼症状
Chiari奇形1型の症状は,後頭蓋窩圧迫による症状(頭痛,頸部痛,下位脳神経障害,小脳症状,呼吸障害,嚥下障害)と脊髄機能障害(感覚障害,側弯症,膀胱直腸障害,痙縮)が代表的であり成人発症が多い.頭痛,後頸部