学びのポイント
●DNAは生体内の活性酸素や紫外線・X線・タバコなどの環境要因により常に損傷を受けている.
●Cockayne症候群,毛細血管拡張性運動失調症,色素性乾皮症,Werner症候群などは,DNA修復機構に関与する遺伝子異常により発症する.
●DNAの修復が追いつかずにDNA損傷が蓄積することで細胞は老化する.したがって,遺伝性のDNA修復障害では,癌化や神経変性とともに早老性変化がみられる.
▼定義
悪液質様低身長,小頭症および認知障害を含む重度の神経症状,網膜色素変性症,白内障,感音性難聴,歩行および摂食障害,内分泌・外分泌障害,腎障害,心血管障害,骨格系障害,光線過敏症など多彩な臨床症状を呈する疾患で,常染色体劣性遺伝形式で遺伝する.早老症に分類される疾患の1つで,老化が促進したようにみえる諸症状を呈する.
▼病態
従来,転写および転写共役ヌクレオチド除去修復型のDNA修復機構の欠陥