疾患を疑うポイント
●小児期に強直発作,脱力発作,非定型欠神発作,ミオクローヌス発作が混在して頻回にみられる患児.
▼定義
1~6歳までの小児にみられる最も難治なてんかん症候群であり,①多彩な持続の短い全般てんかん発作(強直発作,脱力発作,欠神発作,ミオクローヌス発作など)をもつ,②脳波で間欠期にびまん性徐波性(1.5~2.5Hz)棘徐波結合と睡眠中に約10Hzの高振幅速波(速律動,rapid rhythm)群発がみられる(burst of fast rhythm),③知的障害,の三徴をもつ.
▼病態
基礎疾患として新生児仮死による蘇生後の低酸素性虚血脳症,代謝異常,脳形成異常や遺伝子異常が60%にみられ,残りは原因不明(潜因性)であり,これらに共通する病態は不明である.年齢依存性てんかん性脳症であるWest(ウェスト)症候群,太田原症候群が経年的に本症に変容することもよく知られている.
▼疫学